Unityでインディゲームを作る!

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Unity e-book "Introduction To The Universal Render Pipeline For Advanced Unity Creator" を読んだのでレビュー [ 感想 ]

IntroductionToURP_Cover

 Unity公式によるe-book "Introduction To The Universal Render Pipeline For Advanced Unity Creators"の感想、レビューをまとめます。

 これは、Unityに習熟した開発者やテクニカル・アーティストがBuilt-In PipelineによるプロジェクトをUniversal Render Pipelineに移行する際のガイドブックとして作られた本です。なので基本的には、最近Unityを始めた初心者向けではありません。

 

 URPは将来的に従来のレンダーパイプラインに置き換わるモノとして作られているので、最近Unityを使い始めたのならURPを触り始めればいいんです。この本に書かれているような移行のためのテクニックは必要ない、ということになります。

 しかし、URPを上手く使う上で有益な情報も載っているので、決して無駄にはなりませんし、自分に役立ちそうな所だけ読む形でも良いはずです。

 

URPに移行しよう!

 シンプルに書いてしまえば、この本は『URPめっちゃ良いよ!手伝うから君もURPに移行しようよ!』という内容になっています。(実際の中身は専門性がそれなりに高いです)

 Unityは本来、モバイルを始めとした様々なプラットフォームに向けて素早くゲームを制作することを目標に造られたゲームエンジンであり、そのレンダー・パイプラインもその目的に沿って設計されたものでした。

 しかし、年月を経て多くのプラットフォームに対応していく中で、Built-In Render Pipelineの弱点が露わとなっていきます。

 

 ゲームエンジン利用者にとって、レンダー・パイプラインがブラックボックス状態であり、カスタマイズ性も低く、今後のプラットフォームへの対応などの様々な問題がありました。それを解決するためにScriptable Render Pipelineという新しいレンダー・パイプラインが作られることになります。

 そのSRPにおいて汎用目的のテンプレートがURPであり、既にいくつかのゲームでも利用され、お馴染みのパイプラインとなっています。

 

 本ブログのMadeWithUnity探検隊で扱ったいくつかのゲームもURPで制作されており評価も得ています。今後、URP製のゲームは増えていくので楽しみですね。

 

 この本は如何にURPが優れているか、その機能や使い方を解説していきます。個人的には、さっさとURPに完全移行してもらいたいのでこういう試みは大歓迎です。

 

移行のための手順

 まずマテリアルがURPに対応してないと、画面が真っピンクになったりと、やらなければならないことがあります。しかし、本書では丁寧に各作業を解説しているので、熟練の開発者なら読めば出来るようになっています。

 ここら辺は既にURPを使っている者からすれば、読み飛ばしても良い部分です。

 

 シェーダーの章では、シェーダーの移行について詳しく解説しており、ここが一番専門性の高い部分になるかと思いますが、ここまで対応しているのが本書の優れた部分だと思います。

 

熟練者以外の人は

 旧来のUnity経験者で無い人達は、ライティングの章以降から読めば良いかもしれません。シェーダーの章なども専門家でなければ飛ばしても問題ないはず。

 

 繰り返しますが、この本は従来のUnity経験者がスムーズにURPに移行するための様々な作業についてのアドヴァイスをまとめた本です。

 しかし、同時にURPの様々な機能、そして関連するツール群についても解説されるため、そうした情報は対象者以外にも役立ちます。

 

 ライティングや影周りの設定などが解説されているので、そこはかなり良いです。また、ポスト・プロセッシングについてもボリュームの設定から親切に解説してくれています。Renderer Featureについても割と詳しく扱っているので、そこも勉強になります。(ここは個別に後日扱うかも!?)

 

まとめ

 旧来のUnityで実務経験のある人向けにURP移行を促進するためのコンテンツですが、初心者から中級者まででも参考にできる箇所は大いにありました。

 Unity e-bookは層が厚く、長く参考にしていけるモノが多くてありがたいです。