Unityでインディゲームを作る!

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MadeWithUnity探検隊!The Last Camp Fire レビュー、感想

Last CampFire_TopCover

 今回のMadeWithUnity探検隊は"The Last CampFire"です。温かみのある童話のような3Dパズル・アドベンチャーであり、最近遊んだMadeWithUnity作品の中ではトップクラスに良い出来だと思います。ようやく晴れやかな気持ちでレビューできます。

 基本的にはネタバレはしないよう心掛けますが、少しだけあります。物語の核心に迫る部分は避けますが、少しだけ。

 

 出て三か月も経っていない新作になります。(※追記 steamだと2021年表記になっていましたが、実際には去年の2020年に出てたゲームでした、すいません)たまに画面がカクついたり、グリッチな部分があったりもしますが、良く作られたゲームでビルド・クオリティも概ね良好です。

 一度だけ、あるパズル面でスタックしたことがありましたが、ゲームシステム上にストレスを感じるような部分は基本無くて、これはインディゲームであっても大事な部分だと思っているので、そこら辺での評価も高いです。

 

ザ・パズル・アドベンチャー

 ゲーム性としては、一言で言ってしまえば戦闘要素のないゼルダライクです。アクション性はほとんどなくパズルと世界観、物語を中心に据えたゲーム性となっています。ゼルダは特に好きなゲームのひとつなので、自分の体にはすごく馴染みました。ブーメランやフックショットはないですが、アレっぽいアイテムも出てきます。

 

 パズルについて、最初の方はかなり簡単ですが、進むにつれてなかなか骨のある難易度のものも出てきます。進行上、これらのパズルを全部解く必要はありませんが、探索モードなるものが用意されており、ほとんどのパズルを解かなくても遊べるモードも用意されています。

Last_CampFire_ExploringMode

 パズルゲーということで不安を覚える方もいるかもしれませんが、Steamで最初のエリア全部をデモ版で遊ぶことが出来るので、非常に親切設計。

 

 とは言え、プレイ時間としては6~7時間ほどのそこまで長くない作品なので、ぜひとも通常モードで出来の良いパズルを楽しんでもらいたいゲームです。(全体的には少し難しいパズルが数個ある、くらいの軽めの良バランスだと思います)

 

 本作は英語音声で、各言語の字幕がついていますが、残念ながら日本語字幕は正直良い翻訳とは言いにくいレベルの出来だと思います。悪くはないのですが、オリジナルの英文の美しさとか文学性を楽しむために、英語が出来る方はぜひ英語でプレイしてほしいです。

 女性ナレーターの朗読でストーリーが紡がれていくのですが、声と演技がとても素晴らしく、このゲームの世界観と雰囲気に更なる深みを与えています。イギリス英語のとても綺麗な発音が良いです!

 

旅の始まりとその目的

Last_CampFire_Opening

 洞窟内を船で進む、謎の集団とそれを追う赤ずきん赤ずきんがこの集団とはぐれてしまった後から冒険が始まります。

Last_CampFire_Awaken

 ある遺跡で目覚めた青ずきんがプレイヤーキャラ、ひとまずここを脱出しないといけません。

LastCampFire_Statue

 一番最初のパズルです。手に入れた銅像をマス目上で動かし、障害物をかわしてゴールを目指す、というとても単純なモノ。安心してください、最初はこの程度のパズルなのです。

LastCampFire_FirstPuzzle

 このパズルを解くと、森の中に出ます。ここからいよいよ主人公の不思議な旅が始まります。

 主人公はエンバー(Ember)と呼ばれる種族の一人で、道に迷い希望を失った同じエンバー達を救うことになります。

 

 フォローンと呼ばれる石化状態になっている道中のエンバー達に触れると彼らの囚われた精神世界に入り込み、そこでのパズルを解くことで、彼らの心を溶かすことが出来ます。

LastCampFire_Forlorn

 前述したように探索モードがあるのですが、なるべくなら自分でちゃんとパズルを解いた方が良いのです。探索モードだと主人公がいきなり人魂を出して、それを本人に戻すという感じになってしまうので。

 

君に誰が救える?

 というわけで、このゲームは人々を助けたり、交流しながら冒険をしていくアドベンチャーゲームになっています。パズルを解くことで、人々の悩みも解消するというのはとても没入感を生み出せる良いアイディアだと思いました。

 しかし、そんな基本システムについて更に良い設定だなと思ったのは、プレイヤーが差し伸べた手を全てのフォローンが取るわけではない、という部分です。主人公の助けを拒絶するフォローンが数人います。

 道中、何人ものフォローンとの出会いがあるのですが、全て救えるわけではない、というのが良いなと思いました。ちゃんと世界観を大事にしてるなと。こういう所なんだよなぁ。

 

 しかし、救いを望む、迷いし者達は救っていきたい!自分は救えるエンバー全員を救ってクリアしたので満足です。

Last_CampFire_SaveEmber

 旅の道中には様々な仕掛けがあり、それを解くことで思わぬ道を見つけることがあります。当然、そこにフォローンが居たりもします。

LastCampFire_SecretForlorn

 

 各地にはキャンプファイヤーがあり、そこに助けたエンバー達を集めていきます。そのエリアに何人の迷いしエンバーがいるか、何人救ったのかもここで見れるので、進行具合も確認できます。

LastCampFire_CampFire

 

基本を押さえたアドベンチャー

 アドベンチャーゲームとしては非常にベーシックで、会話でフラグを建てたり、キーアイテムを手に入れたりして、ゲームを進行させていくお馴染みの流れです。アドベンチャー部分に関してメンドクサイ部分はないので安心して楽しめます。

LastCampFire_FishingNet

網で何かを取ったり、鍵で扉を開けたり・・・

LastCampFire_Key

 

 パズルは前半では簡単なモノも多く、少し舐めていた部分はあったんですが、進めるごとに良くできた面白いパズルが出てきたので、驚いたし、とても楽しめました。

 雰囲気重視ではあるのですが、ただの雰囲気ゲーではなく、純粋にパズルゲームとしても楽しめると思います。難しすぎず、しかしちゃんと味がするパズルの数々を楽しみましょう。

 

Last_CampFire_PuzzleList

 一度ゲーム中でクリアしたパズルはタイトル画面のパズルメニューから好きに遊ぶことが出来るようになります。これはとても便利な機能です。

 

まとめ

 サクッと楽しく遊べて、良くできたゲームなのでとても良かったです。こういう小中規模だけど、きちんと作ってあるゲームがやっぱ良いですし、インディゲームのあるべき姿ですよね。

 『こういうのでいいんだよ、こういうので』というもので、しかし凡庸ではないゲームを遊びたいし、作っていきたいなと思いました。