ゲームテンポとゲームスピード、どちらも速さ(早さ)に関係する言葉ではありますが、これはきちんと区別すべき概念だと思っています。今回は、この二つの概念について、メモ書き程度に少し考えていきたいです。
ゲームテンポ
いわゆるテンポが良い、テンポが悪い、という風に語られるゲーム・テンポですが、これはゲームの段取りや進行にまつわるスピード感、あるいは早さだと考えられます。実際のゲームプレイそのもののスピード感とはあまり関係なく、ゲームプレイに至るまでの段階や遷移におけるスムーズさを表す言葉であるべきでしょう。
テンポが悪い、というのはもちろん避けるべきことで、ゲームが始まるまでに時間が無駄に掛かる(ロードが長い)、準備が煩わしい、毎回いちいち設定しないといけない、みたいなことですね。ゲーム進行の段取りが悪い、ということであり、ゲームプレイそのものは面白くても、その外側にストレスがあるという状態になります。
またワン・ゲームのサイクルの長さもテンポに影響を与えるはずです。無駄に長いよりは、子気味良い長さで何回も遊べた方が楽しいと考えられます。
現代では、とにかくスピーディに、テンポよくゲームが進行することの重要性が高くなっているので、ゲームプレイに直接関係なくても気を付けたい部分です。
ゲームスピード
まさしくゲームそのもののスピードであり、ゲーム体験の核に関わる部分です。早ければいい、というものでもなく、速すぎても難しくなってしまうし、遅すぎても簡単になりすぎたり、爽快感が無くなってしまったり、そのゲームに相応しいゲームスピードが出るようにデザインしよう、ということになります。
ゲームスピードは何によって決まるのか?自キャラや敵キャラの動くスピード?ボタンを押す時間間隔の短さ?意思決定までの制限時間?展開の速さ?イベントの頻度?
不思議なもので、見てる分にはスピーディに見えるけど、実際触ってみると、そんなに操作は忙しくなかったり、また逆の場合もあります。理想としてはある程度、スピーディに見える方が見栄えは良いですが、自分で触った時には程よくマイルドなスピード感であることが望ましいはずです。
ゲームプレイそのもののスピード感であり、ゲームデザインと密接に関係する部分なので、そのゲームに適切なゲームスピードを見つけられるようにしたいです。
最近の傾向としては、必ずしもゲームスピードが速ければいい、ということはなく、瞬間的に速かったとしても、全体的にはむしろゆったりとしてゲームが好まれているような気がします。忙しいゲームはあまり好まれない、ということなのかもしれません。
まとめ
というわけで、ゲームテンポとゲームスピードについて、少し考えてみました。混同されかねない、この二つの言葉に対してはそれぞれを意味、重要性を考えつつ、ゲームを作っていけたらなと思います。