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ソリティアという化け物ゲームをやって、いろいろ想ったこと。ルールやランダム性、技術介入度など [ クロンダイク スパイダー ]

Solitaire

 今、どんなゲームを一番やり込んでいるかと聞かれたら、間違いなくソリティアと答えます。きっかけは何だったか・・・Windowsに入っているMicroSoft Solitaire Collectionをなんとなくやってみた・・・という始まりだったはずです・・・

 ※今回の記事はかなり長くて、全部で9000文字(!)を超える長文です。ご了承ください。

 

なんともないゲーム

 ソリティアというのは自分にとっては、たまに思い出したようにやって直ぐ飽きては辞めて・・・というものに過ぎませんでした。特に十代の自分にとっては正直、何が面白いのか分からないゲームの一つで、Windowsのゲームをやるなら、マインスイーパーっしょ、ぐらいの感じでした。

 一番代表的な?ルールである、クロンダイクについては、正直今でもそこまで面白いゲームとは思っていません。(その理由についての考察は後述します)

 

 しかし、今の自分はたぶん人生で一番ソリティアをやっています。それはなぜか?と聞かれれば、たぶんソリティアの中に今の自分が一番考えるべきゲームデザインとは何か?』という問いへのヒントの源泉があるからです。

 特にランダム要素とプレイヤーのゲームへの介入性、あるいは技術介入度に対するバランスについて、ソリティアから学べるモノはかなり大きいと感じています。

 

 後は単純に自分の知らない面白いソリティア(のルール)を見つけたから、というのもあります。ソリティアおもしれー!と素直に楽しんでいるのです。

 世界中のあるゆる人に遊ばれて、そして古典的でシンプルなゲーム、というのも大きいのかもしれません。長い年月、多くの人に遊ばれているゲームは『強い』。

 

 今のWindowsにはMicroSoft Solitaire Collectionなるソフトがインストールされており、ここからでも数種類のソリティアもしくはカジュアルゲームを(広告付きで)遊ぶことが出来ますが、Soritia.jpという様々なソリティアを無料で遊べ、ルールも解説してくれるサイトを見つけました!(といっても検索結果のトップに出てくるサイトですが)

 とにかく、ここがめちゃくちゃ素晴らしいサイトで、ここをきっかけに知ることが出来たソリティアのルールがたくさんあり、そういう意味で今回、ソリティアに対する視野がとても広がったことが大きな収穫です。

 

 そんなわけで、最近はソリテイア漬けの自分ですが、いろんなソリティアをやってみて思ったこと、考えたことをまとめてみたいと思います。

 

ソリティアとは

 ソリティアとは、原義的には『一人向けの遊び』ですが、現在では特に一人用のトランプゲームを指します。Windowsに古くから内蔵されてきたことでお馴染みです。(Windows)パソコン・ゲームと言えば、ソリティアマインスイーパーか、と言ってしまっても良いくらいの存在ではないでしょうか。

 いわゆる、多くの人が思い浮かべるソリティアは厳密にはクロンダイクという名前のルール、及び遊び方です。最近まで自分もその認識でした。

 

 ソリティアのゲーム性は、主に(クロンダイクやスパイダーなど)ランダムに並び替えられたカードを正しい順番に並べ直す、というモノなのですが、その手順であったりとか、様々な機構、制約などがルールによって違うということになります。

 

 ソリティアはいくつかのジャンルに大別出来て、クロンダイク、スパイダー、ピラミッド、トライ・ピークス(ゴルフ)、フリーセルなどのゲーム性の異なる遊び方があります。

 自分もまだまだニワカなので、様々なルールについて詳しくはSoritia.jpで見て頂くとして、いくつかのルールで遊んでみた結果、それらの評価についてかなり分かれるものとなりました。つまり、面白いルールもあれば、つまらないルールもある、という感じです。

 様々なソリティアを遊んでみて、各々どういう構造になっているのかを考え、なぜ、自分はそれを面白く感じたのか、また別のモノはそうではなかったのかを考えてみるのは、ゲームデザインについての勉強になりそうだったので挑戦してみます。

 まずは個人的に特に面白かったルールについて、取り上げてみたいと思います。

 

個人的に面白かったルール

 ソリティアといえば、クロンダイクのようにカードを順列に並び替えるのが主な遊びだと思うので、そういうゲーム性で自分が一番面白いと思うのは、スパイダーソリティアです。

スパイダー

Solitaire_Spider

 スパイダー・ソリティアは、運要素と技術介入度のバランスがかなり良い感じです。後程、クロンダイクとの比較をやります。

 スパイダーにも、もちろん運要素があるのですが、クロンダイクよりもカードを動かす機会が多いし、挽回もしやすい、あるいは挽回できるかも?と思わせてくれる、ルールなので面白いです。

 

 ゲームにおいて、プレイヤーが気持ちよくなる瞬間がどれくらいあるかが、特に大事だと思います。その点、スパイダーはゲーム途中にエースからキングまでが縦に揃うと、(演出が入って)場から取り除かれるのですが、これが単純に気持ちいいです。

 これは最終的にゲームクリアできなかったとしても、ゲーム中にいくらかの小さな目標を達成できていることになるので、次は勝ちたい!もう一回やれば行けるかも!?というモチベーションにも繋がっているのでしょう。

 場からカードが減ることでプレイもしやすくなる、というのも良いシステムだと思います。上手くプレイした見返りがちゃんとプレイヤーのためになっているシステムです。

 

 スパイダーの中でも難易度別のルールがあり、使う絵柄が一つ、二つ、四つの場合があるのですが、特に絵柄を赤黒の二種類使うSpider Solitaire(Two Suits)はかなり深いゲームだと思いました。

 ソリティアの中でもトップクラスに完成度の高いルールなのではないでしょうか、実際、世界で一番遊ばれているルールらしいです。もし、それが本当なら納得の面白さです!!

 

 個人的には、やはりスパイダーのようにカードが動かしやすいルールの方が面白いと思いますし、かといって、作業感を感じにくい程度にほどよい運要素があるものが良いと考えているので、以下のルールもそういう傾向があります。

スパイデレット

 スパイデレットは、そんなスパイダーの簡略版でサクッと遊べるソリティアになっています。ある程度スパイダーをやり込むと物足りなくなるルールかもしれませんが、しかし、気軽に遊べて難易度も決して低くはないのでけっこう好きです。

 

ユーコンソリティア

 ソリティアクロンダイク)と言えば、カードの山があり、それをめくっていって適合するカードを探していく、というのがお馴染みのルールだと思っていたのですが、ユーコン・ソリティアはそんな思い込みを打破してくれる、面白いルールでした。

 

 カードの山がなく、全てのカードが並べられています。縦に並べられているカードに関しては何枚でも!持ち上げることが出来る自由度の高いルールです。赤と黒が交互に、数字が連続して並べば、自由な枚数カードを動かすことが出来ます。

 その反面、きちんと盤面にあるカードを見て考える必要がありますが、だからこそゲームとしてのやりがいがあるルールだと思います。最近知ったルールですが、とても面白いです。

 

エイトオフ

 いわゆるフリーセルというのは、個人的にはかなり嫌いなルールなのですが、その中の一種である、エイトオフはかなり面白かったです。フリーセルには、一時的にカードを場から避難して置いておけるCell(セル)があるのですが、それが8個あり、フリーセルと異なり、同じ絵柄で数字順に並べるのがエイトオフです。

 これがフリーセルと同タイプのゲームとは思えないほどに面白かったので、これは今回のソリティア漬けにおける一つの大きな収穫です。

 

 完全に主観ですが、フリーセルはどうしても作業ゲー感を強く感じてしまいます。ソリティアの運要素については、特にクロンダイクは結構くだらないです。しかし、クラシックなフリーセルのように全てのカードがオープンにされ、クリアまでの手順が決定論的なゲームはそれはそれで息苦しく、つまらなく感じてしまうのはゲームデザインにおいて、考慮すべき点だと思いました。

 それに対し、エイトオフは従来のフリーセルの持つ作業感を軽減し、戦略に柔軟性があるゲームになっていると思います。

 

 セルが8個になっているという点では、エイトオフはフリーセルよりも簡単になっているはずです。しかし、同じ絵柄でないと並べられない、という制約も追加されているので、総合的に見れば、難しさとしてはそこまで変わらないか、あるいはエイトオフの方が少し難しいくらいになっているのではないかと思われます。

 それなのにプレイ・フィールとしては、エイトオフの方がはるかに面白く感じるのは、難しくはなっているけど、その分自由度が増えて、盤面を眺める時間が減り、カードを動かす機会が多いからだと考察できます。

 

その他のいくつかのゲームについて

 いろいろなソリティアで遊んでいるので、その他のゲームについても少しだけ触れたいと思います。

トライ・ピークス

 手元にあるカードの山から一枚引き、そのカードの数字の一つ上か下のカードを手元に引っ張ってくるゲームです。コンボが気持ちいいゲームですが、高難易度だとなかなかストレスが溜まるゲームになります。

 このゲームも運と言えば、運なのですが、かなり気軽に遊べるゲームですので、たぶんこっちの方が、好きという人は多いかもしれません。

ピラミッド

 これは正直、どうなんだってゲームですが、足すと13になる二枚のカードをピラミッド状に並べられたカードを下から取り除いていくゲーム。それなりに遊んではみましたが、たぶん一番なんにもならないゲームですね(笑)

 

なぜクロンダイクはそんなに面白くないのか

 面白くも無いけど、つまらなくもない。だから、別にこれで遊ぶ必要もない。それが自分にとってのクロンダイクソリティア

 

 前述したように、自分がソリティアで面白いとは思えないルールがクロンダイクで、このルールは自分が『ソリティアとかつまんねー』という思うに至った原因の一つであります。

 現在、かなりソリティアを遊んでいて、クロンダイクもそれなりに遊んでいるのですが、まぁ遊べなくはないゲームだけど面白くはないな、と昔に比べて多少印象が良くはなった程度の感触です。

 自分の見解としては、クロンダイクはいろいろと大雑把というか、ルールが足りてない感が強いです。他のルール同様、ちゃんと盤面を見て判断し、カードを動かす、という要素はもちろんあるのですが、しかし介入性はそんなに高くなく、運要素の在り方が少し大味すぎると自分は考えています。

 

 この記事を書いていて思い出したのですが、そういえば昔にも普通のソリティアはつまんないけど、たまたま遊んでみたスパイダーが思いのほか面白くて驚いたことを思い出しました。こっちは面白いじゃん!という驚きです。

 

 今回のメインテーマとして、なぜクロンダイクはそんなに面白くないけど、スパイダーは面白いのか、ということについて比較研究してみたいと思います。

 共通点も多い、この二つのルールで何故こんなにも面白さが違うのか、ゲームルールが生み出す面白さとは一体何なのかについて考えてみたいです。

ルールの比較

Solitaire_Klondike

 まずは各々のルールについて、簡単に確認していきます。クロンダイクは階段状にカードを並べ、一番下のカードを表にそれ以外は裏にされています。残りのカードは山となって置かれ、これをめくりながら、赤黒交互に数字が大小順に並ぶようにして、最終的に全てのカードが絵柄ごとにエースからキングまで外側にある置き場に揃えばクリアです。

 

Solitaire_Two_Suits_Spider

写真は二組版のスパイダー

 スパイダーは10列分カードを並べ、同じく一番下にあるカードを表にします。残りのカードは山となって伏せられ、プレイヤーの好きなタイミングで、各列に一枚ずつランダムに配布します。一組ルールだと一つの絵柄だけで、大小順に並べていきますが、二組ルールは赤黒混合でカードが並びます。この時、色が違うカードでも数字が連続すれば並べることが出来ますが、まとめてカードが動かせるのは同じ色のカードの身になります。

 

自由度

 多分ここが、そのプレイフィールの差に一番大きい影響を与えている部分だと思うのですが、自由度についてです。

 これは圧倒的にスパイダーの方が大きいです。特にTwo Suits(二組)スパイダーは出来ることが多く、いろいろ考えるべきことも多いし、カードを動かす機会も多いです。ただただ面白いゲームになっています。

 クロンダイクの窮屈な所ですが、空になった列に対して、キングからしか置けないというルールがあります。なんでも置けるようになると、それはそれでゲームが破綻してしまうのかもしれませんが、出来ることが少ない原因の一つでもあると思います。

 

ゲーム展開

 ゲーム展開の動き方もやはりスパイダーの方が大きいです。各列に対して、ランダムに一枚ずつ配布することを数回、プレイヤー自身が好きなタイミング(これ重要!)で行うことが出来ます。

 これにより、大きく盤面の状況が変化し、それに対してプレイヤーはきちんと対応し、上手くカードを動かしていくことになります。

 

 それに対して、クロンダイクは一枚一枚カードの山をめくっていき、一つ一つ確認していきながら、何か場におけるカードがないかを判断することになります。

 何かのカードを場に加えたことで、既に場に存在していたカードも連鎖的に動く、という面白味はもちろんあるのですが、スパイダーと比較すると、その頻度は決して多くはなく、連続性も低いです。

 

 なんというかクロンダイクのゲーム展開が直線的なのに対して、スパイダーは8列分のカード並べられているだけあって、広がりがある展開で運要素も程よく弱まって感じるように出来ていると思います。

 

ゲームの形成判断

 ゲームにおいて、自分が良いことをしたのか悪いことをしたのか、という評価のフィードバックは速く正確であることが大事です。

 スパイダーは小目標として、エースからキングまでを揃える、というものがあり、それを全ての組でやる、というのが大目標となっています。

 カード一組Verだと全部で四回分の小目標があるのですが、つまり、今どのくらいのゲームの進行なのかが非常に分かりやすいですし、ダメになった時もわかりやすい。

 

 それに対して、クロンダイクは上手くいっているようでも、運要素がかなり強いので、どのくらいの達成度なのか、チャンスはあるのか無いのか、とにかく色々と分かりにくいのではないかな、と思います。つまり、プレイヤー自身がゲームの状況を把握しにくい、ということです。もちろん、その不透明さがスリリングさを出す、という解釈も出来るかとは思います。

 クロンダイクは最後の最後まで、上手くいっているかどうかが分からず、最後になって、あの時の二択に失敗したから、上手くいかなかったのだなぁ、と答え合わせすることになり、そうしたプレイへの評価の機会が後ろにずれ込むのが良くないのかもしれません。

 

リターン(報酬)の強さ

 前述したように、スパイダーはゲームの途中経過として、キングからエースまで一列順に揃うと、その場から消えます。

 単純にそれは気持ちいいですし、小さな達成感があります。と同時にゲーム展開も空きスペースが増える可能性があり、そうならば良いゲーム状況になり、遊びやすくなります。

 つまり、評価、報酬とゲームシステムがかなり強く結びついています。ゲームを進める上で分かりやすい目標であり、評価であり、ゲームを有利に進めるためのシステムなのです。

 

 その反面、クロンダイクは地道にカードを重ねていくだけであり、それはそれで楽しいのですが、まぁ地道です。

 最後の最後で伏せてあるカードに重要なカードが残されていて、ゲーム続行が不可能になり、ガッカリしてしまうケースがあります。もちろん、上手くいった時は嬉しいのですが、『でも、たまたま上手い選択肢を選べただけだよな・・・』という感想も含まれてしまう、という想いもあります。

 

 クロンダイクは、それなりに盤面を集中して見ないとダメなゲームではあり、実際にはやりがいのあるゲームです。しかし、その労力に対して、ゲーム側のリターンがあまり伴っていないように思います。

 なので、『暇つぶしにはいいけどさ』というぐらいの評価が適正な気がします。実際、暇つぶし界の覇権ではあるのですが。

 

スパイダーは落ちモノパズル?

 スパイダーにおける、定期的に場にランダムにカードが加わること、そして、上手く揃えるとカードが場から消え去る、というシステムが落ち物パズルに似ているのではないか、と思いました。

 もちろん、テトリスを始めとした落ち物パズルは人並みに好きですので、これに気付いた時、そりゃスパイダーの方が面白いとなーと。

 

 テトリスはランダムに数種類の内のひとつのブロック(テトリミノ)が落ちてきて、それらを上手く一列に揃えると消える!という落ち物パズルを代表するゲームですが、確かに共通する部分があるし、そういう何かを揃えて消し去るという行為に永続性を与えたゲームとしてのテトリスというゲームは改めてスゴイ存在だなと思います。

 

難易度の違い

 これは判断が難しいのですが、どちらのゲームも運次第な部分があって、どっちの方が難しい、という差はほとんどないと思います。

 これまで書いてきたことに基づいて考えると、やはりスパイダーの方がゲーム性に幅があったり、カードを動かす機会が多いので、難しくても楽しみやすい、というのがあると思います。

 

運要素(ランダム要素)と技術介入度

 それでは、ゲームおけるにランダム要素、運要素と技術介入度の関係性について、ソリティアの視点からいろいろ考えてみたいと思います。

 

 多くのゲームにおいて、その影響度の大小あるにせよ、ランダム要素、運要素というものが存在します。まずはそもそもランダム要素とは何か、運要素とは何なのかについて考えてみたいと思います。

運要素とは

 プレイヤー自身がどうすることも出来ない部分、意思決定できない要素。いくつかの選択肢、あるいは可能性の中から、不規則に選ばれた発生する何か、が運要素だとここでは定義してみます。

 難しいのは、運要素といっても様々で、完全にランダムかもしれないし、あるいは少数の中から偏りの有る確率で何かが選ばれるという場合も考えられます。規模感であるとか、ランダム性に偏りがあったり、ということです。

 また、プレイヤーの意志にそれが関連付けられているのか、というのも大事だと思います。つまり、本当にランダムなタイミングでランダムなイベントが起きるのか、それとも、プレイヤーが自分の意志で、自分の好きなタイミングで、ランダムな事を起こせるのかという問題です。

 

 前述したように、スパイダーソリティアでは、プレイヤーが自分の好きなタイミングで、各列に一枚ずつランダムにカードを配るという行動を数回行うことが出来ます。

 結局はカードがどのように積まれているかはプレイヤーは分からないのですが、この操作によって、プレイヤーはある程度ランダムイベントに介入できることになっています。これがクロンダイクとのゲーム性の大きな違いを生んでるのではないか、というのが自分の説でした。

明示的に

 つまり、ここは運が絡むよ!やる度に結果が異なるよ!ということが、プレイヤーにとって明確で、分かりやすいことが、プレイヤーに運要素を受け入れさせるために大事なことなのではないかと思います。

 分かりやすいのがサイコロで、サイコロを自分で振ってもその目をコントロールできる人は少なくとも素人にはいません。

 ただし、自分の好きなタイミング、自分の手でサイコロを振ることが出来る、という点がサイコロの良い所なのかもしれません。

 

 今回、運要素について考えて思ったのが、良い運要素については、それを起こす前に神頼みをするのではないのか、ということです。

 つまり、プレイヤーが楽しんでいる運要素については、例えばサイコロを振る前に『お願い!たのむ!』などと願うのに対して、詰まらないと思う運要素については、ただただ上手くいかなかった場合にため息をついたり、舌打ちしたり、『これ、俺が悪いの?』となってしまうのではないか、という体験主義的に思ったのです。

 またクロンダイクとスパイダーの比較になるのですが、クロンダイクの運要素については、ため息をつくばかりなのですが、スパイダーに関してはカードの配布において、ちゃんと神頼みしてるんですよね、なのでこれは体験談ということになるのですが、同じ運ゲーでもこんなにも違うのか、と我ながら興味深いです。

 

 ビデオゲームで言えば、ドラクエ6は『せいけんづき』ゲーですが、ハッサンが腰を深く落とす度に多くのプレイヤーは『ハッサン!たのむ!当ててくれ~!』と強く願ったはずです。

 それはやっぱりゲームを楽しんでいるし、そして、せいけんづきを撃つ判断をしているのはプレイヤー自身に他ならないからです。

 プレイヤー自身にきちんと納得した形でサイコロを振らせる、ということが大事なのかもしれません。

 

まとめ

 というわけで、最近熱中しているソリティアを題材にゲームデザインについて、色々考えたことを書いてみました。

 クロンダイクは何故面白くないのか、というテーマに文量をかなり費やしたのですが、書いた後で、そんなに面白くないのがクロンダイクの良さなのかも、と思いました。

 暇つぶしでやるものだから、直ぐにやめられないといけない、勝つことが目的なのではなく、適度に頭と手を動かして時間が潰れればいい、というのがクロンダイクというゲームのコンセプトだと思うと、ゲームというのは奥深いものですね!

 

 最近流行っているゲームは運要素が強いものが多いと思うので、運要素のバランスだったり、技術介入度だったりについて考えるのに良いきっかけになりました。

 

 運要素が強すぎても、プレイヤーが自分でゲームを動かしてる感が薄れるし、弱すぎても決定論的なゲームになりすぎて、『遊び』が少なくなり、下手すると作業ゲーになってしまう、という危険性があるので、結局はバランスなのですが、それを決定するのは難しい判断です。 

 

 世に出ているゲームはいろんな創意工夫を元に生み出されたものなんだなぁと感慨深くなりました。自分もそんな面白いゲームを作るぞ!